優秀作品

氏名:合田 早加江
所属:大阪産業大学附属高等学校 教諭(英語科)

【私の祖父】

生前、私の祖父は、製造業を営んでいました。会社は通りに面しており、すぐ横に信号機がありました。まだまだ、たばこのポイ捨てが目立つ時代でしたので、信号で止まった車から、毎回のようにたばこがポイ捨てされていました。祖父は、その吸い殻を、毎朝、背中を丸めながら、一つ一つトングで拾っていました。ある日、祖父の帰りが遅いので、心配していたところ、とぼとぼと歩いて帰ってくる祖父の姿が見えました。事情を聞くと、ゴミ拾いを続けて、気が付けば1キロ以上先の駅まで行っていたというのです。さらに、止めていた自転車もなくなっていたそうです。それでも、祖父は文句一つ言わず、次の日も当たり前のようにゴミ拾いをしていました。「これで綺麗になったわ」とにっこりしていた祖父の顔を今でもはっきり覚えています。
 何か特別なことをするのではなく、社会のために小さなことを毎日続けていた祖父を私はとても尊敬しています。自分の富や名声を追わず、いつも会社の周りを掃除する祖父の姿は、私の目指す偉大なる平凡人です。